令和元年 除夜の鐘と共に煩悩を叩く

令和元年(2019年)末に除夜の鐘を叩いて参りました。昨今、除夜の鐘がうるさいと言う苦情や裁判沙汰になっているケースもあり非常に残念ではあります。

ここのお寺は108回以内に鐘を叩いた方に証明書を発行してくれます。私は108回の内の後半に鐘を叩くことができました。また、ここのお寺は108回を超えてしまっても、証明書の発行はありませんが、並んでいた方には鐘を叩かせてくれます。ですので、実は108回以上鐘が叩かれています。

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「煩悩」と言う漢字と「108」の由来

煩悩は「苦平悪意舌耳女子身鼻眼浄染」から成る漢字一文字で表されるそうです。煩悩とは本能・欲求という言葉に言い換えることができるから、決して全てが悪いものではないと理解しています。悪いのはそれに振り回されることでしょう。

煩悩の数が108もある理由:

①六根(人間の五感や心)があるため
星矢達(聖闘士星矢)が燃やしているアレ(コスモ)ですね。六根の働きにより生み出される六塵からさまざまな感情が起こります。6(六塵)×3(好・悪・平)×2(染・浄)×3(過去・現在・未来)を計算すると108になります。

②十纏(じってん)と呼ばれる悪い心があるため
「纏」という漢字は「からみつく」という意味があり、人を苦しみで縛る煩悩と同じ意味として捉えることができます。十纏は無慚・無愧・嫉・慳・悔・眠・掉挙・惛沈・忿・覆の10種類に分類することが可能です。また九十八結(くじゅうはっけつ)も、人間を縛り付ける煩悩のことで98種類あると言われています。十纏の10と九十八結の98の数を合わせると108になります。

③四苦八苦の言葉にあるため
本来の意味は人間によくある8種の苦しみのことです。8種類の苦しみは生・老・病・死の根本的なものと、4つの人生である愛別離苦・怨憎会苦・求不得苦・五蘊盛苦から成り立っています。
四苦八苦は4×9+8×9という計算式に変えると108になります。

 

私としては①がしっくりくりきます。私の友達の和尚様は「108は概念的なもので、たくさんある、と解釈すればよい」と仰っておりました。

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